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「脳科学マーケティング100の心理技術」005お値打ち感を出す

005 お値打ち感を出す

商品を購入する際に、価格が適正であるかを判断して、高すぎる場合には、痛みを感じることを002、003で説明しました。

ここでは、この適正かどうかの判断基準について「アンカーリング効果」によりコントロールする方法について説明します。

変動性のあるアンカー価格を持っている商品として、ガソリンがあります。日々の経済状況等により変動するこの価格を、ガソリンスタンドを通るたびにフィードバックすることを自然と行っているものです。

アンカー価格が変動しずらい商品としては、住宅があり、その場所ごとの設定価格になれるまでには1年かかるということです。

また、テレビのように、自分の気に入ったものが見つかると、その価格をアンカーとして、他の価格を評価することになるものもあります。

次に不合理なアンカーとしての例を示す。

アンケートによる結果ではありますが、被験者が思った無作為な数字(社会保障番号の下2桁等)とその後の購入商品との価格の間に相関がありました。無作為な数字が大きいほど、その後の購入に払ってもいいと思える価格が高くなりました。

この例として、携帯電話会社の整理番号があります。あらかじめ渡されるこの番号の大きさが不合理ではありますが、そん後の契約に影響する可能性があります。

前もってアンカー価格を提示する方法を示します。

新商品の場合には、最初からアンカー価格を低く抑えることはしません。最初に販売価格相当にして顧客の心に高いアンカー価格を設定出来さえすれば、その価格より落とした際には顧客の反応はかなり大きいものとなります。

ここで、高いアンカー価格を設定した際には、新しもの好きな方に買ってもらえるし、価格を下げることによりお値打ち感が生まれるので、今度は多くの顧客に買ってもらえることになります。

これをうまく利用した最近の例は、アップルのiPhoneがあります。最初499ドルから599ドルとして、新しもの好きに買ってもらい、わずか数か月後に200ドル値下げしてお値打ち感を見せたというものです。

次に、顧客がアンカー価格を予想できない商品として、珍しい商品やなじみのない商品について示します。

この例として、新規ネット情報商材があげられますが、この価格の適正は判断しずらいわけです。この業界のアプローチは、最初にできるだけ高いアンカー価格を設定して売り込みを始めます。その後、特典を付けて買う気をあおり、最後にクロージングの価格として予想を超えた値段を提示するというものです。なおかつ全額返金保障を付けて価格は無いに等しい程の状態に持っていきます。これは、どの情報商材でも未だに繰り返されている王道のようなものです。

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