050 マジシャンのスキルを応用する
マジシャンが顧客の注意を引き、つなぎとめておくための以下6つの方法を応用したマーケット手法を示します。
①人は一度に1つの事にしか注目できないので、自分の伝えたいことに注目してほしいなら、顧客に一度に複数の事をさせないことです。
これは、マジシャンは顧客の意識があることに集中している間に、もう一方の手で何かをするというパターンに基づきます。
②グループへのプレゼン、対面販売、テレビコマーシャル制作といった場面で、動くものを使って、ここぞというときに見ている人の注意を引こう。1つのものを動かせばそこに注目が集まります。
これは、マジシャンが、観客がハトの動きに気を取られている間に、次の段取りの準備ができるというパターンに基づきます。
③見ている人の気がそれたり、集中力が切れているようなら、大きな動きで注意を引き戻します。
これは、マジッシャンが、ポケットに手を入れる動作を見られないようにするために、反対のポケットからカラフルなスカーフを大胆に引き抜くという大きな動きで注意を引くというパターンに基づきます。
④意外な動きや、新しい音、今までにない画像などを使い、顧客の注意を引こう。それによって、「何だろう」と見てもらう事ができます。
これは文章ににも当てはまります。「新発売」というのは広告において最も注意を引く言葉の1つです。
これは、マジシャンが、注目してもらうために新しい動作をしたり、次の準備を目立たなくするために見慣れた動作をしたりする事に基づきます。
⑤人は対面であれ動画あれ、誰かがなじみのある動作をするのを見ると、脳内のミラーニューロンが働き、自分たちも同じことをしている感覚になります。
例えば清涼飲料水なら、それを飲むところを見れば、それに共感することで自分も飲んでいるような感覚になり、飲んでみたいなーという購買意欲が高まります。
これは、他者の動作を理解して共感するようにできている人間の脳の特性により、マジシャンのおとり動作に、ついつい同調してしまい、隠れた動作に築くことが気でないという、目くらましが成功することに基づきます。
⑥絶え間ないしゃべりは、顧客の注意をセールスポイントからそらせる妨害になりかねない。
例えばパワーポイントによるプレゼンの際に、画面に長い文章を表示するのは集中妨害の良い例です。誰かがしゃべっている場合に、聴衆に画面の文章を読ませると、理解力も記憶力も低下します。
脳はどちらか1つの作業に集中しないと、いい仕事ができないのです。
これは、マジシャンが、顧客の気をそらすために、自分のしていることなどのしゃべりをし続けることで、観客の脳に情報をあふれさせ、肝心なところを見破れないようにすることに基づきます。